3D建物探訪

meet tree nakatsugawa

設計主旨

この計画は、木材関係の事業を中心に、中津川で多角的なビジネスを行う丸山木材工業が、低迷する国内の林業木材業と地域をもりあげるために立ち上げた新規事業である。100㎡にも満たない建築だが、その中には地元の桧をつかったコスメの店舗・地元食材を使ったスイーツの飲食店・ネイルサロンが詰まっており、「小さな複合建築」といえる施設である。
最大のポイントは、こうした「小さな複合建築」を魅力的に演出する、「軽やかなCLT利用」である。CLTの建築というと、全ての構造部材をCLTにしようとしがちだが、構造も工法も難易度が上がり、制限も増える。
そこで今回はオールCLTにこだわり過ぎず、4号建築で解くことにした。在来の木造建築を設計できる立場であれば誰でも設計できる工法である。申請上の構造計算が簡易な方法とすることで、さまざまな地域で簡単に利用可能な工法となり、CLTの可能性をさらに広げると考えている。

CLTの魅力

4号建築によるCLT利用を行うことの最も大きな利点のひとつは、線材で耐震要素を確保することができることである。今回の施設は商業施設かつ2面に接道しているため、接道する面は最低限のブレースのみ設けることで開放感を確保し、開く必要のないリンチ側の2面は耐震壁を設ける構成とした。
構造がそのまま仕上げになるのもCLTの魅力だ。今回は内装として利用しても遜色ない美しさとするため、東濃檜のCLTを採用し、屋根の他に、ショップやカフェの什器の天板にも利用した。おおらかな空間から徐々にスケールを落とすことで、小さな商品が引き立つような設計とした。

建物概要

建設地 岐阜県中津川市
竣工 2021年2月
規模 地上1階
構造 木造
敷地面積 314.00㎡
建築面積 98.41㎡
延床面積 98.41㎡
用途 店舗・飲食店・ネイルサロン
設計 成瀬・猪熊建築設計事務所
構造設計 木構堂/渡邉須美樹、古田誠、速水健、鈴木風樹
設備設計 成田賛久、増川徳聡
植栽 岐阜造園/小栗栄一、石原智、牧村真吾
丸山木材工業 丸山木材工業

略 歴

成瀬友梨

1979年 愛知県生まれ
2007年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程単位取得退学
2007年 成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立
2017年 - 成瀬・猪熊建築設計事務所代表取締役

猪熊 純

1977年 栃木県生まれ
2004年 東京大学大学院修士課程修了
2004年 - 2006年 千葉学建築計画事務所
2007年 成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立
2008年 - 2020年 首都大学東京助教
2020年 - 2021年 東京都立大学助教
2021年 - 芝浦工業大学准教授

成瀬・猪熊建築設計事務所
https://narukuma.com/

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