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CLTで未来に備える
世界が”脱炭素”に向けて走り出している今、あらためて注目されているのがCLTなどの木質材料の使用です。内部にCO₂を蓄え、製造・建設時の排出量を抑えることができるCLTは、中大規模建築物にも多く使用されるようになっています。この木質材料の魅力や特性は、これからの建設・不動産の脱炭素化や新たな価値の創出に貢献します。
脱炭素に向けた動きが活発化する建設・不動産業界
建設・不動産業界では、個々の企業レベルでも脱炭素に向けた取り組みが進められています。一方で、産官学それぞれの分野でも、森林資源の循環や脱炭素の切り札として木材利用を進めていく環境が整えられつつあります。
建設・不動産業界の取り組み
「スコープ3まで対応するのに、木は有利だ」
企業としてグリーンな資産でなければ保有できない状況になってきている。 脱炭素社会に向けた行動計画をとりまとめ、建設時のCO₂排出量を正確に把握する算出ツールの整備なおを進めている。 木はあきらかにRC造やS造よりも製造するときのCO₂排出量が少ない。また、乾式で建てられているので建築時のCO₂排出量も少ない。 モジュール化・プレハブ化することで再利用も期待できる。(不動産デベロッパーA社・担当者様)
「木材利用を考えていかないと、
この国には住めなくなってしまう」
国内の森林蓄積量が多くなってきており、森林資源の循環を生む取り組みが必要だ。このままだとこの国に住めなくなるという話も出てきており、今後はデバロッパーが各地域社会に対して何ができるかということを伝えていかなければならない。木質化によってどの程度のCO₂削減量になるのか、今後そうした基準が示されるのを期待している。国内の新築着工面積はまだまだ多く、厚さ30mmの木材を使用してもかなりの物量になる。木材の利用を進めていくことで、森林資源の循環を生んでいけるようにしたい。(不動産デベロッパーB社・担当者談)
「今後は環境不動産が
グローバルスタンダードになっていく」
当社が豪州に建設したインターナショナルハウスはCLTを使用することにより同規模の建物に比べて内包炭素を約40%削減できた。また、立地のよいビルと同程度の賃料で、企画段階から入居者も決まった。木特有の安らぎや柔らかさ、さらにウェルネスなど、これまでにない価値が評価された。短期の収支を優先するのではなく、次の世代にどういったモノを残していくかという視点で、環境に対する意識を高く持たないといい街にはならない。今後は、そうした取り組みに投資が紐づいてくると思う。(不動産デベロッパーC社・担当者様)